日常的に耳にする機会が増えてきた「グルテンフリー」というキーワード。
グルテンフリーは、その名の通り「グルテンを含まない」という意味です。
小麦粉に含まれる水に溶けないたんぱく質「グルテニン」と「グリアジン」が
水で捏ねられることで絡み合い、「グルテン」になります。
グルテンには食品をふっくらさせたり弾力を持たせる性質があり、
パンやケーキなどのやわらかさは、このグルテンによって生み出されています。
昨今小麦を摂取する機会が非常に多く、美味しさの上では欠かせなくなっている小麦です。
しかし体質によっては体の中で消化不良や便秘、下痢、アレルギー反応を引き起こす可能性があるともいわれています。
セリアック病という病気を聞いたことがあるでしょうか?
もともと北欧系の人種の発症が多く、グルテンを摂取することで小腸の細胞が破壊され炎症が起き、
腹痛や倦怠感など様々な不調が出てしまう自己免疫疾患です。
小腸が炎症を起こすことで吸収不良を起こしてしまうので、
いくら食事を摂取しても十分な栄養を身体に吸収することができません。
そのため、下痢や体重減少などの症状が現れます。
日本では稀な病気でしたが、食事内容が欧米化した現代では罹患する日本人の増加が示唆されています。
今の小麦は品種改良や遺伝子組み換えにより、昔の小麦のタンパク質とは化学構造が変化していて、
現代人の多くが変化したグルテンにカラダが適応できなくなったから、とも考えられています。
身体に悪影響を引き起こしているのは、小麦中のグルテンに含まれる「グリアジン」という物質が関与していると言われ、
グリアジンを多く含む小麦は、精製された砂糖よりも血糖値を急上昇させ、
その代謝物は血液脳関門(血液と脳脊髄液間での物質交換を制限する機構)をすり抜け、
モルヒネ受容体にくっつくため依存性が高いとも言われて、食べた時の幸福感もここに関係しています。
グリアジン摂取によって引き起こされる症状は以下のものがあります。
・腸内粘膜細胞の破壊
・免疫刺激
・腸管壁の浸透性の悪化(リーキガット)
・炎症促進
少し分かりにくいのでもう少し細かく症状を見ていくと
体重減少や体重増加、膨満感、慢性疲労、イライラ感、集中力がない、
関節炎、関節痛、肌の小さなボツボツ・湿疹、皮膚炎
うつ症状、、頭痛、集中力欠如、片頭痛、
生理痛、月経不順、不妊、
筋肉痙攣、こむら返り、手などの痛みやしびれ、
乳幼児の発達障害、学習障害、子供の腹痛、
などなど日常生活の中で感じる些細な不調が多くみられます。
小麦摂取によってこのような症状を呈する人を、「グルテン不耐症(グルテン過敏症)」といいます。
ここで整理しましょう。
・グルテンに対して特別な抗体を持っている自己免疫疾患が「セリアック病」
・小麦に対する食物アレルギー疾患が「小麦アレルギー」
・自己免疫疾患もアレルギーもない人でも、グルテンに反応してしまうのが「グルテン不耐症」
です。
グルテンフリーはもともとセリアック病の食事療法が始まりだったんですね。
グルテンフリーが人気を集めた背景には、グルテンフリー食によって腸内環境が改善し、身体全体の不調が改善したという報告があるからです。
裏を返せば、腸内環境が悪いと不調が起こりやすく、
腸内環境は私たちの健康に大きく関係していると考えられています。
グルテン過敏症の人がグルテンフリーの食事にすると、便秘や下痢の解消、腸内環境の改善などの効果があるといわれます。
上記の通り、腸内環境が整えば、肌荒れやニキビなどの肌トラブルが改善する可能性も期待できます。
また、グルテンの影響で倦怠感・疲労感などがある場合も、グルテンフリーで改善される可能性があります。
もちろん、体質などの個人差もありますので、一概にグルテンフリーで改善するとは言えませんが、
ご自身の食生活を見直してみてもいいかもしれませんね^^
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