線維筋痛症とは、身体の広範な部位に激しい痛みを繰り返す原因不明の慢性疾患です。
自己免疫の異常や炎症はみられず、機能的な(機能の働きに異常を生じる)リウマチ性疾患といえます。
「ズキズキする痛み」
「カッターで切りつけられるような痛み」
「針で刺されるような痛み」
など、痛みの種類や程度は患者さんによってさまざまです。
天候、時間帯、心の状態などによっても変わってくるといいます。
線維筋痛症の原因は未だに不明です。
激しい痛みはあるのに、器質的な組織破壊などをきたすことはなく、生命が脅かされることもありません。
そのために画像検査や血液検査などを行っても、骨、筋肉、関節に異常は見つからず、
医療機関を転々とし、その間に心身ともに疲弊してしまうというケースも少なくありません。
痛み以外の症状として、「全身痛」「疲労感」「関節痛」「朝のこわばり感」「頭痛」「睡眠障害」「しびれ」「不安・抑うつ」「ドライアイ」なども多くの方に見られるとされています。
線維筋痛症の診断の条件は3つあります。
①広範囲にわたる疼痛(疼痛の広がり)があること
②触診の際に圧痛点(押すと痛みを感じる場所)が基準の18カ所のうち11カ所以上認められること
③3カ月以上継続する慢性疼痛であること
血液検査や画像検査なども他の病気との鑑別のために行われます。
繊維筋痛症の原因は未だに不明ですが、骨、筋肉、関節などの末梢組織ではなく、
脳や脊髄などの中枢神経系にあるということが考えられています。
〇痛み抑制系の異常
私たちの体は、痛みを感じるとその信号が脳まで伝わります。
すると、脳からセロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンなどの神経伝達物質が出て、痛みを抑える仕組みがあります。
しかし、線維筋痛症の患者さんでは、この痛みを抑える経路がうまくはたらかないため、痛みが続くのではないかと考えられています。
〇脳内炎症
脳や脊髄にはミクログリアと言う中枢の免疫担当細胞がいて、免役機能を担っています。
線維筋痛症では、そのミクログリアが異常に活性化し、痛みに関係する神経回路の周りで炎症を起こし、
痛みを生み出しているのではないかという説があります。
〇脳内ネットワークの変化
脳内には、作業をしていない時に活動する神経のネットワークがあります。
線維筋痛症の患者さんでは、このネットワークと、痛み体験に関わる脳の部位との結びつきが強くなっていることが分かっています。
そのため、何か特別なことをしていなくても痛みを感じてしまう可能性があります。
治療には「薬物治療」と「非薬物治療」があり、
どちらか一方だけで改善することは難しく、両方のアプローチをすることが有効です。
〇薬物療法
痛みを抑える『プレガバリン』『デュロキセチン』という薬が線維筋痛症に保険適用となっています。
プレガバリンは、脳内で痛みを伝える神経伝達物質の量を減らします。
デュロキセチンは、セロトニンやノルアドレナリンという痛みを抑えるのに大事な神経伝達物質の量を増やします。
また、症状に合わせて、抗うつ薬、抗けいれん薬、鎮痛薬なども使われます。
〇非薬物療法
「有酸素運動」「マッサージ」「太極拳」「ヨガ」「マインドフルネス」「認知行動療法」などのうち、自分に合ったものを生活の中に取り入れていきます。
生活する上で重要なのは、『不快な時間を減らし、心地よい時間を増やす』ことです。
線維筋痛症は中枢神経の病気であり、ストレスを減らすことが痛みの軽減につながります。
そのために大切な事は、自分のことをよく知るということです。
自分のストレスの原因を知り、うまく付き合っていくことが重要です。
痛みは外から見て分からないため、患者さんの中には「痛い、疲れたなどと言って怠けないで」「異常がないのだから痛むはずがない」と言われて傷ついてしまう人もいます。
しかし、線維筋痛症には周りから想像できないような痛みが確かにあります。
周りの人たちはその声を受け止めることで、患者さん自身のストレスを減らし、痛みの軽減につなげることができるかもしれませんね^^
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